蛇口からポタポタと水が落ちる、シンク下が濡れている、トイレの水が止まらないなど、水漏れは前触れなく起こります。そのため、気づいた瞬間はどこから手をつけるべきか迷ってしまいます。
ただ、やるべき順番ははっきりしています。原因を突き止めるより先に、水を止めること。この記事では応急処置から原因の切り分け、自分で直せる範囲までを順にお伝えします。
水漏れに気づいたら最初に行う応急処置

水漏れを見つけると、つい漏れている箇所をのぞき込んだり、タオルを押し当てたりしたくなります。しかし最初に必要なのは、被害を止める作業と、自分の安全を確保する行動です。原因の特定は、その後で構いません。
とくに水が電化製品やコンセントにかかっている場合は、水よりも先に電気への注意が欠かせません。気づいた直後の数分間で何をすべきか、優先度の高い順に見ていきましょう。
濡れた電気設備には触れず、足元の安全を先に確保する
水漏れが起きたとき、最優先すべきは人の安全です。洗面所や浴室の床は硬く滑りやすいため、慌てて駆け寄ると転倒しかねません。
コンセント、電源プラグ、延長コード、温水洗浄便座、洗濯機、給湯器、分電盤などが濡れている場合は、直接触れないでください。濡れた手で電気器具に触れると感電の原因になります。総務省消防庁の防災・危機管理eカレッジでも、電気製品は水や湿気が苦手であり、とくに洗濯機は水を使うためちょっとした故障でも漏電や感電が起きる場合があると説明されています。
水がコンセント付近まで達しているとき、分電盤自体が濡れておらず安全に近づけるなら、該当回路の安全ブレーカーを切る方法があります。反対に、分電盤の周囲まで濡れている、漏電ブレーカーが作動している、焦げた臭いがするといった状況では操作せず、電力会社や電気工事店へ連絡してください。
温水洗浄便座から漏れているときは、感電防止のためまず電源プラグを抜き、そのあと止水栓を閉める手順がメーカーから示されています。ただしプラグ周辺がすでに濡れているなら、触れずに安全な位置から電気を遮断してください。
漏れている設備の止水栓を閉めて水を止める
漏れている場所が分かっている場合、その設備につながる止水栓を閉めます。止水栓には、故障時に水を止める役割と、水勢を調節する役割があります。住宅全体を止める元栓と違い、ほかの場所では通常どおり水を使えるのが利点です。
| 設備 | 主な位置 |
| キッチン | シンク下の収納内。混合水栓は給水側と給湯側の2つ |
| 洗面台 | 洗面ボウル下の収納内 |
| トイレ | 便器やタンクの横。ハンドル式とドライバー式がある |
| 洗濯機 | 洗濯機用水栓のハンドル |
| 浴室 | 本体に止水弁がある製品も。分からなければ元栓へ |
トイレの止水栓は、床や壁の仕上げ面付近、給水管の接続口の近くにあります。温水洗浄便座が付いている場合は便座用と間違えやすいので、給水管をたどって確認してください。
止水栓はマイナスドライバーや専用の開閉工具を使い、時計回りに回すと閉まります。閉める前にハンドルの位置と回した回数を控えておくと、修理後に元の水勢へ戻しやすくなります。
注意したいのが、長期間動かしていない止水栓です。まったく動かない、赤サビや緑青が出ているといったときは、無理に回さないでください。力任せに回すと配管を破損させ、漏水による建物への被害が広がるおそれがあるとメーカーも注意を促しています。固くて回らないなら、住宅全体の元栓で止めましょう。築10年以上が経過している住宅では、配管の老朽化を考えて元栓も必ず閉めるよう案内されています。
場所が分からない・水が止まらないときは元栓を閉める
漏れている設備が特定できない、止水栓を閉めても止まらない、大量に出ているといった状況では、住宅全体の元栓を閉めます。壁や床の中から水音がする、天井から水が落ちている、止水栓自体から漏れている、集合住宅で階下への漏水が心配されるときも同じです。
戸建住宅の元栓は、多くの場合、水道メーターと同じメーターボックス内にあります。設置場所は道路に面した敷地の入口、門扉付近、玄関前、駐車場、庭など。ふたには「水道」「量水器」などの表示があります。
集合住宅なら、玄関横のパイプシャフト(パイプスペース)や共用廊下のメーターボックス内が一般的で、水道メーターの隣にあるバルブが元栓にあたります。建物によっては居住者が操作できないため、管理会社への確認が必要です。
元栓の形状は種類や新旧によって異なりますが、いずれも時計回りに回すと閉まります。緊急時にはメーターボックス内のバルブを時計回りに回せば水が止まると、東京都水道局も案内しています。あわせて、日頃から元栓の位置を確認しておくことがすすめられています。
床に広がった水を回収し、被害の状況を記録しておく
水を止めたら、床や壁、家具への被害拡大を防ぎます。落ちてくる水を容器で受け、家具や家電を移動させ、タオルや吸水シートで床の水を吸い取ってください。ただし、電化製品が濡れている場合に通電したまま動かすのは危険です。
床材は表面が乾いていても、継ぎ目や巾木の裏側へ水が入り込んでいることがあります。フローリングや石こうボードは水分を吸うと膨張や剥離が起こるため、収納内部まで確認しておきましょう。
片付けの前には、漏水箇所と濡れた範囲、天井の染み、設備のメーカー名と型番、発見した日時などを写真や動画で残しておくと安心です。修理業者への説明のほか、管理会社とのやり取りや保険・共済への相談にも役立ちます。
給排水設備の突発的な事故で建物や家財が濡れた場合、契約内容によっては水濡れ損害が補償対象になることがあります。一方、経年劣化した設備そのものの修理費は区別して扱われる点にご注意ください。
賃貸住宅や分譲マンションでは、水を回収したあと管理会社や貸主へ速やかに連絡します。なお、水が噴き出しているような大量漏水のときは、記録より止水と安全確保が先です。
元栓を閉めても止まらない、天井や壁の内部から漏れている、電気設備が濡れている。ここまでの応急処置で水を抑えられないときは、原因を探すより先にご連絡ください。水道レスキューPROは土日・祝日を含む24時間受付で、お住まいの地域と症状をお伺いしたうえで現場へ向かいます。
水道メーターのパイロットで水漏れを確認する手順

目に見える水を止めたら、次は「どこから漏れているのか」を調べる段階に入ります。ここで最初の手がかりになるのが、水道メーターにある「パイロット」と呼ばれる小さな回転部分です。
家中の水を止めた状態でこれが動いていれば、住宅内のどこかで水が流れ続けているサインになります。特別な道具は要りません。メーターを確認し、漏れている設備を絞り込むまでの流れを、手順に沿って解説します。
家中の蛇口と水を使う設備をすべて止める
正確に確認するには、住宅内で水がまったく使われていない状態をつくらなければなりません。止める対象は蛇口だけではないので注意してください。
- キッチン、洗面台、浴室の水栓とシャワー
- トイレ、洗濯機、食器洗い乾燥機
- 給湯器、電気温水器、エコキュート
- 冷蔵庫の自動製氷機、浄水器、散水栓
トイレを流した直後はタンクへの給水が続くため、給水音が止まるまで待ちましょう。洗濯機や食器洗い乾燥機は運転の途中で自動的に給水するので、確認中に作動しないよう停止させます。蛇口だけでなく、エコキュートや電気温水器へ給水されていないことも確かめるよう案内されています。
同居のご家族には、しばらく水を使わないよう伝えておくと確実です。停止が不十分な状態でパイロットが動くと、正常な給水を漏水と勘違いしてしまいます。
水道メーターのふたを開けてパイロットを探す
水道メーターは、戸建住宅なら道路に面した敷地内や玄関前などのメーターボックス内に、集合住宅なら玄関脇のパイプシャフトや共用廊下の収納内にあります。ふたが固いときは無理にこじ開けないでください。金属製や濡れたふたは滑りやすく、手を挟む危険があります。
メーターには、使用水量を示す数字のほかに、水が流れると回転または点滅するパイロットが付いています。形状は機種によってさまざまで、銀色の小さな円盤、赤色や銀色の星形、三角形、プロペラ状などがあります。最近増えている電子式には回転する部品がなく、水が流れている間は画面のマークが点滅します。東京都水道局も、水を使っていない状態で回転または点滅していないか確認するよう呼びかけています。
どれがパイロットか分からないときは、二人で確認するとスムーズです。一人がメーターを見ながら、もう一人が蛇口を少し開けます。そのときに動き、閉めると止まる部分がパイロットにあたります。
ボックス内が水で満たされている、メーター本体が破損しているといった場合は、手を入れずに水道局や業者へご相談ください。
パイロットが回っているかを一〜二分かけて確認する
住宅内の水をすべて止めた状態で、パイロットを一〜二分ほど観察します。漏水量が多ければ速く回りますが、蛇口から一滴ずつ落ちている程度では動きが非常にゆっくりです。数秒だけ見て判断すると、微量な漏水を見落としてしまいます。
水を使っていない状態でパイロットが回転または点滅しているときは、メーターから蛇口までのどこかで漏水していることを意味すると、東京都水道局は説明しています。蛇口の内部、トイレタンクから便器への流れ込み、給水管や給湯管、壁内や床下の配管などが候補になります。
一方、パイロットが止まっていても、住宅内の水濡れ原因がすべて否定されたわけではありません。次のような原因では反応しないことがあります。
- 排水管、排水ホース、排水トラップからの漏れ
- 設備内部に残っていた水
- 結露、雨漏り、エアコンのドレン水
- 上階や隣室からの漏水
- メーターより道路側の漏水
キッチンや洗面台で水を流したときだけ収納内が濡れる場合、排水側が原因である可能背があります。排水管には使用時にしか水が流れないため、水を止めた状態でのメーター確認では見つけられません。
止水栓を一つずつ開けて漏れている設備を絞り込む
パイロットが動いているのに目視で漏水箇所が分からない場合は、各設備の止水栓を使って原因を絞り込めます。
- 家中の蛇口と水を使う設備を止める
- パイロットが動いていることを確認する
- キッチン、洗面台、トイレなどの止水栓をすべて閉める
- パイロットが止まるかを見る
- 止まった場合は、止水栓を一つずつ開ける
- 動き始めた設備の止水栓を再び閉め、周辺を詳しく調べる
すべての止水栓を閉めて止まったなら、いずれかの止水栓より先にある設備で水が流れています。一つずつ開けたときに動き始めれば、その設備と止水栓の間、または設備内部が漏水箇所です。
反対に、すべて閉めても動き続けるなら、止水栓より手前の配管、止水栓のない屋外水栓、壁内や床下、地中の配管などが考えられます。この場合は元栓を閉めて、水道修理業者へご相談ください。目視できない配管の漏水は、音聴調査や圧力試験といった専用機材による調査が必要になります。
水道レスキューPROでは、水道料金の急な上昇や壁・床の濡れ、原因が特定できない漏水についてもご相談を承っています。
蛇口・給水管から水漏れしているときの原因と直し方

水漏れのご相談で最も多いのが蛇口まわりです。ただし、同じ「吐水口からポタポタ落ちる」という症状でも、蛇口の構造が違えば原因となる部品も必要な作業も変わります。
給水管の接続部から漏れている場合も、ナットを締め直せば済むのか、部品交換が必要なのか、配管ごと交換すべきなのかで対応が分かれます。漏れている位置ごとに、考えられる原因と直し方をお伝えします。
吐水口からポタポタ漏れる原因は蛇口の種類で変わる
ハンドルやレバーを閉めても吐水口から水が落ちるのは、内部で水を止める部品が劣化しているサインです。まず、使っている蛇口の種類を確認しましょう。
| 蛇口の種類 | 主な原因部品 |
| 単水栓 | コマパッキン、ケレップ |
| ツーハンドル混合水栓 | コマパッキン、ケレップ |
| シングルレバー混合水栓 | バルブカートリッジ |
| サーモスタット混合水栓 | 開閉バルブ、切替弁など |
| センサー式・タッチレス水栓 | 電磁弁、センサー、制御部 |
シングルレバー水栓では、コマパッキンではなく内部のバルブカートリッジが摩耗・破損したり、異物をかみ込んだりして水が止まらなくなります。センサー式は電気部品が関係するため、メーカーまたは専門業者への依頼が基本です。
コマパッキンの交換は、止水と水抜きのあと、ハンドル上部のキャップと固定ネジ、ハンドル、カバーナットの順に外し、スピンドルとコマを取り出して同じ規格の部品に替える流れになります。
部品は見た目で判断せず、メーカー、品番、呼び径、パッキンの外径と厚さを照合してください。品番が分からない、ナットが固着している、設置から10年以上が経過しているといった場合は、分解せずご相談いただくほうが安全です。なお、シングルレバー方式やサーモスタット式が壊れたときは指定給水装置工事事業者へ、と案内している水道局もあります。
ハンドルやレバーの根元からの水漏れはパッキンの劣化を疑う
ハンドルやレバーの根元から水がにじむ場合、内部部品の劣化やナットの緩み、部品のずれが考えられます。ただし、蛇口の構造によって疑うべき部品は違います。
単水栓やツーハンドル水栓でハンドルの下から漏れているなら、三角パッキンやスピンドル周辺のパッキン、ワッシャーの劣化が原因になりやすい部分です。交換は、止水と水抜きのあと、キャップとネジ、ハンドル、カバーナットを外して部品を替える手順で進めます。
カバーナットの緩みだけで漏れることもありますが、締めすぎは禁物です。ハンドルが重くなる、パッキンが変形するといった別の問題を招いてしまいます。
一方、シングルレバー水栓でレバーの根元から漏れる場合は、バルブカートリッジやOリング、内部シールの不具合が考えられます。「根元だからパッキン」とは限りません。吐水口からも水が落ちる、レバーが重い、温度調節が安定しないといった症状が重なるなら、カートリッジの劣化を疑ってください。
壁や台との接続部からの水漏れは締め直しでは直らないことが多い
蛇口と壁、あるいは天板との境目から水が出ている場合、単純なナットの緩みだけが原因とは限りません。シールテープの劣化、取付脚の緩み、給水ホース、台座下のパッキン、壁内配管など、可能性はいくつもあります。
まず最初に、上から流れてきた水が根元に集まっているかどうか確認しましょう。止水したうえで本体と周辺を乾いた布で拭き、接続部へ乾いたティッシュを当ててみてください。水を使わない状態で濡れるか、少量の水を出したときに濡れるかを見れば、実際の漏水箇所を絞り込めます。
シールテープの巻き直しをDIYで紹介する情報もありますが、単純なパッキン交換よりリスクは高くなります。取付脚を回したとき、壁内の給水管も一緒に動くことがあるためです。古い金属管が腐食していると、配管が折れて壁の内部で大量の水漏れが発生しかねません。
築年数が長い、取付脚が固着している、壁の内部から水が出ているといった場合は、自分で巻き直そうとせず業者へお任せください。
給水管・給湯管の水漏れは接続ナットと配管本体で対処が分かれる
給水管や給湯管の水漏れは、「接続部分からの漏れ」と「配管本体からの漏れ」に分けると判断しやすくなります。給水管には元栓や止水栓が開いている間、常に水圧がかかるため、不具合があると使っていない時間帯も漏れ続けます。
目視できる接続ナットからにじんでいるなら、ナットの緩み、パッキンの硬化やずれ、給水ホースの斜め挿入、接続口の腐食を確認しましょう。軽い緩みなら、止水後に少し締め直すことで改善する場合があります。ただし強く締めすぎると、パッキンの変形や樹脂ナットの割れにつながります。
配管そのものに亀裂や腐食がある場合は、業者への依頼が基本です。補修テープは水圧がかかるため恒久的な修理にはならず、一時的に弱まっても再び噴き出す可能性があります。
次のような症状があるときは、壁内や床下、地中の見えない配管からの漏水が考えられます。
- 家中の水を止めてもパイロットが動く
- 壁の中から水音がする、床の一部が常に湿っている
- 晴天が続いても屋外の地面が濡れている
- 水道料金が急に上がった
- 給湯を使っていないのに床の一部が温かい
見えない配管の修理には、漏水箇所を特定する調査が先に必要です。原因を突き止めないまま広い範囲を掘削・開口すると、費用も復旧範囲も大きくなってしまいます。水道レスキューPROでは、壁内・床下・地中の漏水調査から配管交換までお引き受けしています。
トイレ・浴室・排水まわりの水漏れで確認したいポイント

トイレや浴室、シンクの下は、給水と排水の両方が集まっている場所です。そのため「水を使っていないのに漏れる」のか「水を使ったときだけ漏れる」のかで、疑うべき箇所が大きく変わります。
また、故障ではなく残留水や結露が原因というケースも少なくありません。設備ごとに、原因の切り分け方と自分で確認できる範囲、そして手を出さないほうがよい部分をまとめました。
トイレは便器内・タンクまわり・床との境目で原因が分かれる
使っていないのに便器内へ細い水筋が流れている、給水音が続いている場合、タンク内部の部品に不具合があります。フロートバルブや排水弁の劣化、鎖の絡まりや長さのずれ、ボールタップの故障、オーバーフロー管の破損などが主な原因です。
作業前には必ず止水栓を閉め、タンクの水を流して空にしてください。止水栓を閉めずに始めると、作業中にタンクから水があふれるとメーカーも注意を促しています。タンクのふたは陶器製で重く、落とすと破損してけがをするおそれがあります。手洗い管がつながっている製品では、じゃばら管のナットを外さないとふたが取れないタイプもあるため、取扱説明書を確認しましょう。
タンクと便器の間から漏れる場合は、密結パッキンの劣化や固定ボルトの緩み、陶器の亀裂が考えられます。固定ナットを片側だけ強く締めると陶器が割れる原因になるため、脱着が必要なケースは業者へお任せください。
温水洗浄便座では、給水ホース、分岐金具、水抜き栓、ノズル周辺が確認箇所です。本体内部や電源プラグ周辺から漏れているなら、使用を中止して感電防止を優先しましょう。一方、使用直後にノズル内の残った水がしばらく出る、温水タンクの膨張水がノズル付近から便器内へ流れるといった現象は、故障ではないとメーカーが説明しています。しばらくして止まるなら心配ありません。
便器の根元が濡れていても、すぐに排水接続部の故障と決めつけないでください。タンクや給水管から流れ落ちた水、結露、尿だれなども考えられます。流したときだけ根元から出るようなら、便器の脱着が必要になるため業者へご相談ください。
シャワーヘッドから落ちる水は残留水か故障かを見分ける
シャワーを止めたあとにヘッドから水が落ちるのは、すべてが故障というわけではありません。
ヘッドやパイプの内部には、使用後も水が残ります。この水は表面張力によって止まっていますが、振動や浴室ドアの開け閉めによる気圧の変化で表面張力が弱まり、ポタポタと流れ出ることがあります。使用後に一定時間で止まるなら残留水であり、水栓の故障ではないとメーカーが説明しています。
止水後は、シャワーヘッドを振って水を切り、フックに納めるようすすめられています。ヘッドを上向きにして数分置き、水が止まるかどうかを見ると判断しやすいでしょう。
ここで注意したいのが、手元止水ボタンだけで止めた状態にしないことです。手元止水は一時的な止水を目的とした機能で、水栓本体を開けたまま長時間放置すると、ホースや接続部へ水圧がかかり続けます。
水栓本体を閉めてもずっと止まらないなら、こまパッキンや切換弁など、水栓内部の部品が摩耗・劣化している可能性があります。ホース表面の亀裂や折れは交換が基本で、テープで覆っても動かすたびに再発しやすい部分です。
水を使ったときだけ濡れるなら排水ホースや排水トラップを疑う
水を使っていないときは乾いているのに、水を流したときだけ収納内や床が濡れる。この場合は排水側の漏れを疑いましょう。
給水管には常時水圧がかかるため、給水側の不具合では使っていない時間帯も漏れます。一方、排水管に水が通るのは使用時だけです。ただし、蛇口を開けたときだけ漏れる給水側の故障もあるため、この条件だけで決めつけるのは避けてください。
排水ホースについては、排水口から抜けていないか、亀裂やつぶれがないか、接続ナットが緩んでいないか、防臭ゴムが外れていないかを確認します。外れているだけなら差し直せる場合もありますが、防臭ゴムがずれていると悪臭や害虫の侵入にもつながります。
排水トラップは、排水経路の途中に水をため、下水の臭いが室内へ入るのを防ぐ部分です。ナットの緩み、パッキンの劣化、本体の亀裂などが漏水原因になります。内部に水が残っているので、ナットを外す前にバケツとゴム手袋を準備してください。樹脂製は経年で割れやすく、強く締めると亀裂が広がります。
なお、排水管が壁や床の中にあり目視できない場合、自分で開口するのは避けましょう。上流の継手から漏れた水が配管を伝い、離れた場所の天井や床へ現れることもあります。
洗濯機まわりは給水側と排水側を分けて確認する
洗濯機周辺の水漏れは、被害が大きくなりやすい場所です。水栓を開けたままにしていると給水ホースには継続的に水圧がかかり、外れたり破損したりすると大量の水が出ます。床が濡れているのに気づいたら、まず洗濯機を停止して水栓を閉めてください。
給水中や使っていない時間にも漏れるなら、洗濯機用水栓、水栓とホースの接続部、給水ホース、本体との接続部、パッキンが確認箇所です。ホースを外す前には水栓を閉め、ホース内の水圧をなくしておきます。
取り付けの際は、給水ホースに異物やパッキンのめくれがないかを確かめるようメーカーが案内しています。水栓のジョイント部の汚れやサビ、ナットを傾けた締め付け、ホースの無理な折り曲げも水漏れの原因です。
排水時だけ床が濡れるなら、排水ホースが外れていないか、亀裂やつぶれがないか、排水口や防水パンの排水口が詰まっていないかを見ます。ホースが本体の下で挟まれていると排水が滞り、水があふれることもあります。
給水・排水のホースに異常がなく、本体の底部やドアから漏れているなら、家電本体の故障が考えられます。水道修理業者が対応するのは水栓、給水管、排水口、排水管などで、洗濯機本体の修理はメーカーの範囲となる場合があります。
自分で直せる範囲と水道修理業者へ依頼すべきケース

水漏れには、パッキンを一つ替えれば直るものから、壁の中の配管を調べなければ原因すら分からないものまで幅があります。
判断を誤って分解を進めると、かえって漏水量が増えたり、部品を破損して本体交換が必要になったりします。ここでは自分で対応できる作業の条件と、業者へ任せるべきケースの境目、そして修理と交換を比べる視点を整理しました。ご自宅の状況と照らしながらお読みください。
自分で直せる可能性がある作業と、その前提となる条件
「部品が見える」「工具がある」というだけで修理できるとは限りません。DIYを検討できるのは、次の条件を満たす場合です。
- 漏水箇所を目視でき、原因をある程度特定できる
- 止水栓または元栓を確実に閉められ、漏水量が少ない
- 電気設備が関係せず、壁や床を開ける必要がない
- 配管を切断・延長・移設しない
- メーカーと品番を確認でき、適合部品を用意できる
- 部品が固着しておらず、腐食が著しくない
比較的取り組みやすいのは、コマパッキンや三角パッキンの交換、吐水パイプ根元のUパッキン交換、シャワーヘッドやホースの交換、見える給水接続部のパッキン交換、排水ホースの差し直しといった作業です。
作業前にはメーカーと品番を確認し、取扱説明書を読み、止水と水抜きを済ませます。分解前の状態を写真に撮り、外した部品を順番に並べておくと組み立てで迷いません。接触面にゴミや水垢が残っていると新品でも漏れは止まらないので、清掃も忘れずに行いましょう。
賃貸住宅では設備が貸主の所有物にあたるため、自己判断で分解せず、まず管理会社や貸主へ連絡してください。
無理に分解せず業者へ任せた方がよい水漏れ
次に挙げるケースでは、無理に分解せず、水道修理業者やメーカー、管理会社へご相談ください。
| 状況 | 理由 |
| 水が大量に漏れている | 原因調査より止水が優先 |
| 止水栓や元栓が閉まらない | 止水できない状態で部品を外すと水が噴き出す |
| 止水栓や元栓自体から漏れている | 上流側で水を止める必要がある |
| 給水管・給湯管本体が破損している | テープでは直らず、配管交換が必要 |
| 壁内・床下・地中から漏れている | 自己判断の開口は配線や構造材を傷める |
| メーターは動くが原因が分からない | 見えない配管が疑われる |
| 電気設備が濡れている | 感電や漏電の危険がある |
| 便器やタンクに亀裂がある | 拡大すると大量漏水につながる |
| センサー式・タッチレス水栓 | 分解で別の故障を招く |
| 部品が固着・腐食している | 力を加えると配管や本体が割れる |
| 修理しても再発する | 別の原因が残っている |
集合住宅で床に大量の水が広がった場合は、階下への影響も確かめなければなりません。管理会社へ連絡し、指定された業者へ依頼する流れが基本になります。
設置から10年以上経過した設備は修理と交換を比べて判断する
水栓や水回り設備では、設置から10年前後が、修理だけでなく交換も検討する一つの目安になります。
TOTOは、水栓金具、排水金具、普通便座について、ご使用期間の目安を10年と示しています。温水洗浄便座も想定安全使用期間10年です。ただしこれは保証期間とは異なり、偶発的な故障を保証するものでもないと説明されています。使用頻度や水質、設置環境によって劣化の進み方は変わるとお考えください。
| 確認項目 | 見るポイント |
| 設置年数 | 10年以上なら故障箇所以外も劣化している可能性 |
| 水漏れ箇所の数 | 複数箇所なら本体全体の劣化を疑う |
| 本体の状態 | サビ、緑青、メッキ剥がれ、ぐらつき |
| 部品の供給状況 | 補修部品が終了していると修理できない場合がある |
| 修理費と交換費 | 部品代や作業費の合計が交換費に近づくことがある |
補修用性能部品の最低保有期間は、水栓金具の場合で生産終了後10年です。この期間を過ぎると修理できないことがあり、期間内でも仕様や形状の異なる代替品での提供になる場合があります。
複数箇所から漏れる、部品が固着している、修理後すぐ再発した。こうした状態が重なるなら、交換の優先度は高くなります。ただし10年という数字は絶対的な寿命ではありません。修理と交換のどちらが適しているか迷われたときは、現場を確認したうえで両方の見積もりをお出しできますので、お気軽にご相談ください。
配管を伴う工事は指定給水装置工事事業者へ依頼する
水道設備の修理では、自分で行える軽微な作業と、指定給水装置工事事業者へ依頼すべき給水装置工事を区別しなければなりません。
水道法施行規則第13条は、指定給水装置工事事業者以外でも行える「軽微な変更」を、単独水栓の取替え及び補修と、こま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替えと定めています。いずれも配管を伴わないものに限られます。
したがって、コマパッキンの交換などは自分で行える可能性がある一方、給水管を切断、接続、延長、移設する工事は指定給水装置工事事業者への依頼が基本です。これは、水道事業者がその給水区域において給水装置工事を適正に施行できると認めて指定した事業者を指します。指定を受けていない事業者が施工すると違反工事となり、やり直しを求められることもあります。
消費者庁は2025年7月31日、ウェブサイト上では低額な料金を表示しながら、実際には高額な料金を請求する水回りトラブル対応業者について注意喚起を行いました。国民生活センターにも、広告表示額と実際の請求額が大きく異なる相談が寄せられています。広告上の最低料金だけで判断せず、作業前に具体的な内容と総額を確かめましょう。
水道レスキューPROでは、現場を確認したうえで作業前に金額と修理内容をご説明し、ご了承をいただいてから作業を開始しています。出張費と見積もりは無料です。
水道の水漏れに関するよくある質問

ここまで応急処置から場所別の対処法までをご紹介しましたが、実際に水漏れが起きた場面では、細かな疑問が出てくるものです。
元栓が見つからない、メーターが動いていないのに床が濡れている、部品を替えたのに直らない、夜間でも呼ぶべきか判断できない。こうしたお声はよくいただきます。現場でご質問の多い四つについて、つまずきやすい点をまとめてお答えします。作業の途中で迷ったときの参考にしてください。
水道の元栓はどこにありますか
戸建住宅では、道路に面した敷地内、玄関前、門扉付近、駐車場、庭などにあるメーターボックス内が一般的です。ふたには「水道」「量水器」などの表示があり、開けると水道メーターとその前後にバルブがあります。
集合住宅では、玄関横のパイプシャフトや共用廊下のメーターボックス内にある場合が多くなります。ただし共用部にあって居住者が操作できない建物もあります。分からないときは、契約時の設備資料、建物の取扱説明書、管理会社や大家、水道局などにお尋ねください。
元栓は形や種類がさまざまですが、いずれも時計回りに回すと閉まります。緊急時にはメーターボックス内のバルブを時計回りに回せば水が止まると、東京都水道局が案内しています。トイレ周辺に止水栓が見当たらない場合も、水道メーター付近の元栓で止めるようメーカーから説明されています。
なお、閉めたあとも配管内の残水がしばらく出ます。すぐ止まらなくても、パイロットの動きが止まり、水量が減っているかを確認してください。
床が濡れているのに水道メーターが動かないのはなぜですか
水道メーターで確認できるのは、原則としてメーターを通過して住宅側へ流れる給水です。パイロットが止まっていれば、その時点でメーターを通過する水は確認されていないことになります。
しかし、床を濡らしている原因が給水管の漏水とは限りません。
| 原因 | 特徴 |
| 排水管・排水ホース | 水を使ったときだけ漏れる |
| 設備内の残留水 | シャワーヘッドなどに残った水。一定時間で止まる |
| 結露 | 給水管やタンクの表面。配管内から漏れてはいない |
| 上階・隣室からの漏水 | 自宅のメーターは動かない |
| 雨水 | 屋根、外壁、ベランダから。雨天時だけ濡れる |
| エアコンのドレン | 排水ホースの詰まりや外れ |
| メーターより道路側の漏水 | 自宅のパイロットでは確認できない |
東京都水道局も、パイロットで判断できる範囲をメーターから蛇口までとしています。
調べるときは、濡れた範囲を撮影してから水を拭き取り、接続部へ乾いた布を当ててみてください。水を使わない状態で再び濡れるか、設備を一つずつ使ったときだけ濡れるかを確かめます。床材が膨れている、床下から水音がするといった場合は、漏水調査をご依頼ください。
パッキンを交換しても水漏れが直らないのはなぜですか
パッキンを替えても直らないなら、パッキン以外の部品、取付方法、接触面、本体、配管のいずれかに原因があります。
- 種類やサイズが違う(外径、内径、厚さ、形状の不一致)
- 取付方向が決まっている部品を逆向きに入れている
- 組み立て時に溝から外れたり斜めになったりしている
- 接触面にゴミ、水あか、古いシール材が残っている
- 締め付けが弱すぎる、または強すぎて部品が変形している
- シングルレバー水栓でバルブカートリッジが故障している
- パッキンが接触する金属部分が摩耗・腐食している
- 蛇口本体に亀裂やピンホールがある
- 実際の漏水箇所が別にあり、上から水が流れ込んでいる
直らないときは、元栓または止水栓を再び閉め、部品の品番とサイズ、向き、接触面の異物、ナットの破損を順に確認します。組み直して少しずつ通水しても改善しなければ、作業を中止してください。
何度も強く締め直すのは避けましょう。コマやパッキンを替えても止まらない場合は蛇口本体に原因があると考えられ、本体の交換をすすめている水道局もあります。
夜間や休日でもすぐに修理を依頼した方がよいですか
判断の基準は、「水を安全に止められるか」と「人身事故や建物被害が広がるか」の二つです。次に当てはまるなら、夜間や休日でも緊急でご相談ください。
- 元栓を閉めても水が止まらない
- 水がコンセントや電気設備に達している、漏電ブレーカーが作動した
- 天井から大量に水が落ちている、天井材が膨らんでいる
- 集合住宅で階下へ漏れている
- 給湯管から高温の湯が出ている、便器やタンクが割れている
一方、水を完全に止められた、電気設備が濡れていない、階下への影響もないという状況なら、料金体系を確認したうえで翌日の日中に依頼する選択肢もあります。その際は、夜間・休日料金、出張費、見積料、キャンセル料、作業前に総額を確認できるかを確かめておきましょう。
なお、納得できない高額請求を受けた場合は消費者ホットライン188へ相談できます。契約状況によってはクーリング・オフを検討できる可能性についても、国民生活センターが案内しています。
まとめ|水漏れは応急処置・原因確認・依頼判断の順に進める
水漏れに気づいたとき、まず何をすべきか。答えは「原因を調べる前に水を止める」ことです。そのうえで原因を確認し、自分で直せるかを判断する。この順番を守れば、被害を最小限に抑えられます。
- 応急処置:漏れている設備が分かればその止水栓を、分からない・大量に漏れている・止水栓が動かないなら住宅全体の元栓を閉める
- 原因確認:家中の水を止めてパイロットを見る。動けば給水側、止まっていて使用時だけ濡れるなら排水側を疑う
- 依頼判断:目視でき、止水でき、適合部品が分かり、配管工事や電気設備を伴わない作業だけを自分で行い、それ以外は業者へ任せる
水がコンセントや温水洗浄便座、洗濯機などにかかっている場合は、濡れた手で触れないでください。止水できない、壁や床の内部から漏れている、陶器に亀裂がある、部品が固着しているといった状況では、無理に分解せず作業を中止してください。
水道レスキューPROでは、蛇口やトイレ、給水管・給湯管、排水設備の水漏れに加え、壁や床の濡れ、水道料金の急な上昇、原因が見えない漏水についてもご相談を承っています。土日・祝日を含む24時間受付で、出張費と見積もりは無料です。対応地域は一部対象外の市町村もあるため、お住まいの地域と症状をお伝えのうえお問い合わせください。
